夕方の17時。パソコンの画面とにらめっこしながら、私は焦っていました。
「あと30分で、クライアントさんへのメール返信と、明日のブログの下書きを終わらせなきゃ…!」
起業ママにとって、夕方のこの時間は1分1秒が勝負。まさに時間との戦いです。
そんな私の焦りをよそに、リビングの向こうから「カン!カン!カン!カン!」と、けたたましい音が響き渡ります。
見ると、当時4歳だった次男が、お気に入りのおもちゃの硬いプラスチック部分を、無垢材のフローリングに全力で叩きつけていました。
「ねえ、床が傷つくから叩くのはやめてね」
最初は努めて冷静に、優しい声で声をかけました。けれど、息子は私の顔をチラッと見ただけで、さらにニヤニヤしながら叩く音を大きくします。
「カン!カン!カン!カン!」
「ちょっと、聞こえてる?やめてって言ったでしょ?」
私の声に、少しずつイライラが混じり始めます。それでも息子は手を止めません。まるで、私の反応を楽しんでいるかのようです。
「ねえ!いい加減にしなさい!やめてって言ってるのがわからないの!?」
気づけば、リビング中に響き渡る大声で怒鳴ってしまっていました。
息子は一瞬ビクッとしたものの、今度はギャン泣きを始め、私は私で「また怒鳴ってしまった…」「なんで普通にやめてくれないんだろう」と、激しい自己嫌悪と罪悪感に襲われるのです。
仕事は進まない、イライラは止まらない、子どもは泣き叫ぶ。そんな最悪な夕暮れ時を、私は何度も何度も経験してきました。
目次
「やめて!」と言えば言うほど激しくなる…わが家の「無限ループ」体験談
当時の私は、とにかく毎日が時間との戦いでした。
男の子2人の育児をしながら、家事をして、さらに起業した自分のビジネスも軌道に乗せたい。
常に頭の中は「次にやること」でいっぱいで、心に1ミリのゆとりもありませんでした。
そんな限界状態の時に、息子の「何度言ってもやめない行動」が始まると、私の心のダムは一気に決壊してしまいます。
おもちゃを叩きつけるだけでなく、
- わざとコップの水をテーブルにこぼす
- ソファーの上から何度も飛び降りる
- 「お片付けしてね」と言ったおもちゃを、さらにぶちまける
といった行動が毎日繰り広げられていました。そのたびに私は「やめて!」「ダメでしょ!」と叫んでいました。
でも、ある日気づいたんです。
私が「やめて!」と叫べば叫ぶほど、息子のその行動はエスカレートしているということに。
「どうしてこの子は、ママを困らせることばかりするんだろう…」
夜、子どもたちが眠ったあとに、静まり返ったリビングで一人パソコンを開きながら、涙がこぼれそうになった夜は数えきれません。
「私の育て方が悪いのかな」
「もっと厳しくしつけた方がいいのかな」
ネットで「子供 やめてと言ってもやめない」「言うことを聞かない しつけ」と検索しては、余計に不安になる日々を過ごしていました。
なぜ「やめて」が逆効果?子どもの行動に隠された本当の理由
そんな私が、育児を「仕組み化」という視点から見直し、行動分析の考え方に出会ったことで、目からウロコが落ちるような事実に気がつきました。
子どもがやめてほしい行動を繰り返すとき、そこにはちゃんとした理由があったのです。
それは、子どもにとって「ママが怒って反応してくれること」自体が、最高のご褒美になっていたという驚きの事実でした。
忙しいママの意識は、どうしても「手がかからない時」には子どもに向きにくくなります。
子どもが静かに遊んでくれている時、私たちは「あ、今のうちに仕事しちゃおう!」と、パソコンに向かったりスマホを触ったりしますよね。
でも、子どもからするとそれは「つまらない」のです。
大好きなママに、自分を見てほしい。
そんな時、ママの気を一瞬で引く最高の方法を、子どもは本能的に知っています。
それが「ママが嫌がることをする」ということ。
おもちゃを叩きつけると、それまでパソコンに向かっていたママが、すぐに自分の方を向いて「コラ!」と言ってくれる。
子どもにとっては、怒られたとしても、「ママが自分に100%注目してくれた」という大満足の結果になってしまうのです。
つまり、私がイライラして放っていた「やめて!」という言葉は、息子にとっては「もっとやって!」という応援のメッセージと同じだったのです。
これでは、やめるはずがありませんよね。
今日からできる!イライラをゼロにする「引き算の神対応」3つのステップ
この仕組みが理解できてから、私はこれまでの「根性論」や「怒鳴るしつけ」を一切手放しました。
そして、ママのエネルギーを消耗しない、具体的な「仕組み」を取り入れることにしたのです。
それが、こちらの3つのステップです。
- 【ステップ1】やめてほしい行動は、徹底的に「無反応(スルー)」にする
- 【ステップ2】「やっていない瞬間」や「別の行動」にすかさず注目する
- 【ステップ3】「大好きだよ、ぎゅー」で心の充電を満タンにする
この3つのステップを、具体的かわが家のエピソードを交えてご紹介しますね。
まず、ステップ1の「徹底的な無反応」です。
息子がおもちゃを床に叩きつけ始めても、私は一切、声を出さず、目線も合わせず、表情も変えずに無視を決め込みました。
心の中では「あぁ、床が…」とハラハラしていますが、そこはぐっとこらえて、まるで何も聞こえていないかのように振る舞います。
(危険なことや、人への暴力は別ですが、そうでないものは徹底スルーです)
すると、息子は「あれ?ママが怒らないぞ?」と、拍子抜けしたような顔をします。
そしてステップ2。
叩くのをやめて、おもちゃを床に置いたその瞬間!
私は100オクターブ(笑)明るい声で、息子に向き直りました。
「わあ!おもちゃ優しく置いてくれたね!ママ嬉しいな。あ、次はこの絵本、一緒に読まない?」と、全く別の楽しい提案をしたのです。
叩いている時は完全無視だったママが、叩くのをやめて別のことをした瞬間に、満面の笑みで自分に注目してくれた。
この体験を繰り返すことで、息子の脳内ルールが「いたずらしてもママはこっちを向かない。
でも、静かにしてるとママがいっぱいお話ししてくれる!」に書き換わっていきました。
「大好きだよ、ぎゅー」がもたらす驚きの変化
そして、この神対応の中で、最も簡単で最も効果があったのが、ステップ3の「不意打ちの、大好きだよ、ぎゅー」です。
子どもがいたずらをしていない時、何気なく静かにテレビを見ている時や、ゴロゴロしている時に、突然近づいていって抱きしめるのです。
「〇〇くん、大好きだよ。いつも頑張ってるね、ぎゅー!」
そう言って、体温が伝わるくらい強く抱きしめます。
これを始めてから、息子の目の輝きが変わりました。
それまでは、ママの注目を引くために必死で悪いことを探していたような息子が、「何もしなくても、自分はママに愛されている」という絶対的な安心感を得たようでした。
驚くことに、この「大好きだよ、ぎゅー」の回数を増やしただけで、夕方のイライラするいたずらの回数自体が、10分の1くらいに激減したのです。
「やめて!」と大声を出す必要がなくなったリビングは、本当に静かで穏やかな空間になりました。
叱るエネルギーを「仕組み化」して、ママのやりたい仕事に集中しよう
私たちママ起業家は、常に自分のエネルギー(意志力や体力)の配分を考えなければいけません。
子どもに対して「コラ!」「やめて!」と怒鳴るエネルギーは、実はものすごく脳を疲弊させます。
一度怒鳴ってしまうと、その後の仕事のクリエイティブなアイデアなんて、これっぽっちも湧いてこなくなりますよね。
だからこそ、育児の対応をパターン化して「仕組み化」してしまうことが大切なのです。
「いたずらされたら、静かにスルーする」
「やめたら、即座に笑顔で抱きしめる」
このルールを自分の中で決めておくだけで、「どうしよう、どう言ったらやめるんだろう」と悩む無駄なエネルギーがゼロになります。
浮いたそのエネルギーと時間は、大切なクライアントさんのため、そしてあなた自身のビジネスを進めるために使いましょう。
子育てにエネルギーを奪われて、やりたい仕事ができないなんて、本当にもったいないことです。
「何度言ってもやめない!」とイライラした時は、ぜひ、怒鳴るのをやめて、ぎゅーっと抱きしめる「引き算の育児」を試してみてくださいね。
驚くほど、子どもも、そしてあなた自身の心も、ふっと軽くなるはずです。
我が子の行動にイライラしてしまう時は、子どもの「もともとの特性タイプ」を知るだけで、毎日の対応がグッと楽になることがあります。
「なんでうちの子はこうんだろう?」と悩むママへ、家族みんなのタイプがパッと分かって心が軽くなる診断マップをご用意しました。ぜひこちらから受け取ってみてくださいね。
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